銀投資とは?
2010-06-30
先日のブログで金投資についてご紹介しましたが、今回は銀です。「銀投資」という言葉はおそらくあまり聞いたことないと思いますが、「貴金属」のうちの一つですね。
まず銀の供給口です。

最も多いのが銀鉱山で77%、次に銀スクラップ(リサイクル)20%です。
次に銀の需要です。

最も多いのが、これが金と違うところで、産業使用で53%です。次に写真13%、ジュエリー19%、銀食器7%、コイン&メダルが8%です。
次が前回金投資のところでも使った表で、金を含む貴金属のそれぞれの過去のパフォーマンス、リスクと日経平均との相関係数が出ています。

特徴的なのは、銀と金を比べた時、銀は金ほどのリターンはなく、ボラティリティ(リスク)が高いということ。
こちらのグラフもご覧ください。

これは過去30年間の金と銀のボラティリティ(変動率)を表しています。だいたいいつも連動しているのですが、変動率が高いのは銀です。
このように、銀も投資対象先としてはあれど、流動性の観点からも金に投資しておけばいいという環境です。
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金投資の種類
2010-06-29
昨日のブログで金投資についてご説明しましたが、それでは金投資をしようとするとどんな種類の投資先があるのかをご紹介します。1)金ETF
皆さん、ETFはもう大丈夫でしょうか?ETFを忘れてしまった方は先にこちらをご一読ください。
※ETFについてはこちら
ETFは海外に数百、日本国内(東証、大証)に100本程度ありますが、金だけであればどこでも購入できます。ETFごとに流動性や出来高、金現物の保有量など色々材料はありますが、どれも多いほうがいいです。金ETFを検索してみて、板(出来高)の一番多いのを選ぶといいでしょう。
2)先物取引
これは出来高が少ないため、パイの取り合いなってしまって、大きなパイを投資できる一部の人間にしか利益がでないようになっているので、絶対に投資はしないでください。
3)金地金
要は金の延べ棒です。田中貴金属などへ行って、延べ棒を購入します。このメリットは優越感(笑)。デメリットは流動性の低さ、保管のしづらさ&盗まれる危険性、業者に抜かれる手数料(売値と買値の差額)が大きいこと、でしょう。
4)ヘッジファンド
ヘッジファンドは多くの金などのコモディティを扱う金融商品として有名です。特にCTAと呼ばれる戦略のヘッジファンドは商品先物指数(「先物取引」ではないですよ)と呼ばれる日経平均のような指数で売買しています。そのため流動性も保たれている上に、下げ相場でも利益が出せるような運用をしてくれます。
※ヘッジファンドについてはこちら
※CTAについてはこちら
ただし問題は国内ではなかなかヘッジファンドを購入できないことと、あっても種類が少ない上に、過去の実績がないこと(日本向けに新しく特別に組成しているものばかり)。そのため海外のオフショア(税金のかからない国)にあるヘッジファンドへ直接投資するというのが得策です。
※オフショア投資についてはこちら
私のオススメは1)と4)です。1)であれば数万円から投資できますし、4)であれば最低100万円からの投資が可能です。1)はネット証券で簡単に取引できますし、4)であれば私がお手伝いできます。いつでも声をかけてください。
河合へ直接相談する
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G20首脳会議 財政赤字13年に半減(でも日本は例外)
2010-06-28
G20が行われて、ギリシャから端を発したソブリンリスク(国家破綻リスク)対策として、各国2013年までに財政赤字を半分にするという目標を示しました。しかし日本だけは例外的に、この目標を強制しないということです。誠に恥ずかしい限りです。要は日本は絶対にそんなの無理だから諦めよう、とG20で認められたということです。彼らが認めてしまっては、いったい誰が日本をよくできるのでしょうか?
まぁとはいっても、現実的に無理なのは事実。なぜ無理かって?
例えば2010年度の日本の財政赤字は40兆円。これを3年で20兆円減らさなくてはいけない。減らすにはINを増やすかOUTを減らすか。INは増税。OUTは年金カット(ちょっと極端ですが)です。
増税でいくと、今寛政権がしようとしている消費税引き上げが現実的。ではこの消費税を何%引き上げれば、この3年で20億円の目標を達成できるかというと、8%程度引き上げなければいけません。つまり消費税13%です。そんなことをしたら、誰も物を買わなくなって、日本の企業がたくさん潰れます。結果、法人税が入らなくなり、失業者が増え、いったいなんのために増税をしたのかわからなくなります。
今回のG20でハッキリしたのは、日本だけは将来がないということです。私はフィリピン人と英会話する時に、よく日本の状況を聞かれます。彼ら、彼女らはまったく意図せず「日本はいい国だろう」という意味で聞いてくれるのですが、私は「たしかに今は生活水準が高くていいくらしかもしれないが、NO DEVELOPMENT(成長はない)」とハッキリ言います。意外なことに結構驚いてくれるのですが、理由を理論的に説明すると、それ以上なにも言えなくなってしまいます(べつに暗くはなりませんが)。なにごともまずは事実を知り、それを見つめるのが第一歩ですよね。
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金投資とは?
2010-06-28
最近やたらと「金投資」という言葉を聞くと思います。先日行ったCFPの勉強会では、そこら中で「金の買取します!」という聞くと言ってましたが、本当ですか(笑)?今回はそんな「金投資」について、そもそもなんで金なのか?というところから掘り下げていこうと思います。
まず金がどこから出てくるのか?こちらをご覧ください。

ちょっと画質の関係でちょっと見づらいと思いますが、多い順に金鉱山(59%)、リサイクル(40%)となっています。そう、単純に金鉱山から取ってくるだけでなく、さっき出てきた「金買いますよ!」という方たちがリサイクルしている分が40%もあるのです。
次に金はどこに使われているのか?

多い順にジュエリー(51%)、投資(38%)、産業&歯科(11%)です。私はてっきり投資が最も多いのかと思っていましたが、ジュエリーが依然半分ということです。
次に投資という意味での金。こちらが金の10年チャートです。

そしてそれを数字で見たのがこちら。

上から順にプラチナ、パラジウム、銀、金、貴金属バスケット(mix)です。金のリターンが10年で267%、ボラティリティ(変動率=リスク)が19%です。ちなみに日経平均は10年のリターンが-45%、ボラティリティが25%なので、リスク=リターン共に金のほうがいい投資だと言えます。
また銀、プラチナ、パラジウムのボラティリティがそれぞれ33%、27%、38%なので、金だけが安定した上昇を続けているということです。
また同じ表のしたのところにTOPIX(日本株)との相関係数が出ていて、どの貴金属もだいたい0.2%前後なので、極めて相関性が低いと言えます(全く違う動きをするということ)。
次のグラフが、過去S&P500(米国株)が過去12年の間、下落をしていた時のそれぞれの資産の上昇/下落幅です。いい方から順に金(+1%)、貴金属、農産物(ここからマイナス)、コモディティ全体、エネルギー、産業用金属、米国株、英国株、ヨーロッパ株、カナダ株、ドイツ株(-9%)です。

つまりは「有事の金」ということですね。株が下がっている時に金が買われるということです。
最後に、あなたが今日本株と日本債券を保有していただけの場合、これらの貴金属を一緒に保有したらどうなるか?を下のグラフで示しています。

これは難しい言葉では「有効フロンティア」と言いますが、名前なんてどうでもいいです。要はリスク=リターンの関係を表しています。
左(縦軸)に「リターン」、下(横軸)に「リスク」です。上に行けば行くほどリターンが高く、右へ行けば行くほどリスクが高くなります。通常「ハイリスク=ハイリターン」と言われるのが右上の方。「ローリスク=ローリターン」というのが左下の方で、リスクとリターンは比例すると言われている通り、比較的直線に近い形になっています。しかし全くの直線ではありません。カーブしているのです。
次にあなたが投資する時には、どの辺りにカーブしている線の投資商品に投資したいでしょうか?誰だってリターンは高く、リスクは低いほうがいいので、このグラフでは左上にある方がいい投資商品だと言えます。
さぁ、ここまで理解してもう一度、さっきのグラフを見ましょう。まず「日経平均&日本債券」。これは一番下にあるカーブです。リスクを取れば取るほど損をして(右肩下がり)、リスクを抑えても高いリターンは得られません。そうです、これが「ハイリスク=ローリターン」の典型です(笑)。
次にそれぞれの貴金属を一緒にポートフォリオに入れていきます。すると左上から、金、プラチナ、銀、パラジウムと、いいカーブになるではありませんか。これが金をポートフォリオに入れる意義なのです。
それでは次回は、金に投資するにはどんな投資先があるのか?をご紹介します。
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野村日本株投信(豪ドル投資型)1007 〜野村證券
2010-06-28
本日は野村證券の新商品『野村日本株投信(豪ドル投資型)1007』をご紹介します。
本日から募集開始です。
この商品は至って簡単。豪ドル建てで日本株へ投資するというだけです。
なぜ豪ドル建てなのか?このブログをいつも読んでもらえている皆さんはもうご存知ですね。そう、為替ヘッジプレミアムが付くからです。
※為替ヘッジプレミアムについてはこちら
そう、豪ドルの金利をもらえながら日本株へ投資できるので、ただ日本株を買うよりはいいでしょう(もちろんその代わり豪ドルの為替リスクは伴います)。

このファンドのもう一つの特徴が早期償還条項。以前、『T&D 欧州金融株1007』でご説明しましたが、10000円で始まる投信が、5年という運用期間の中で12000円になったら勝手に手仕舞いして利益確定となります。要は株の指値です。

問題は、豪ドルはいいとして、日本株に投資すべきかどうかというところでしょう。せっかく豪ドルの金利で稼いでも、日本株が下がってしまったら、豪ドルだけ豪ドルMMFで持っておけばよかったということになりますからね(笑)。
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