FX手数料下げ競う
2010-08-31
FXへの規制強化で、最大50倍までのレバレッジしかかけられなくなったFXだが、これに伴いFX業界で淘汰が始まった。先日、日興コーディアルがFXから撤退することを発表しました。
さらにカブドットコム証券では9月17日から大小を通じFX取引ができるサービスを開始。手数料は1万ドルあたり105円の手数料となる。他FX業者は150~200円なので、業界最低水準を出してきた。
「クリック365」でも岡三オンライン証券が9月1日~30日に手数料を無料とした。同証券会社は6月から通常料金も業界最低の52~73円としている。
大和証券も同じく9月1日~30日の期間、100万ドルまで手数料を無料にすると発表した。
そもそも今回の規制で、FXへのうまみが薄れてきて、FXの取引高が激減。それに伴って、FX業者の顧客減、売買高減、手数料減となっていた。各社手数料を値下げするくらいしか、サービスの差別化を図れることはなく、ただただ手数料が安くなっていくばかりである。
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日銀、追加金融緩和策へ
2010-08-30
日銀が追加の金融緩和策を決めました。今回の金融緩和策は、前回決めた新型オペに追加される形のものです。
※前回の新型オペはこちら
今回追加されたのは以下のとおり。
1)資金供給30兆円に拡大(以前は20兆円)
2)資金を年0.1%の固定金利で貸し出す新型オペを現行の3ヶ月に加え、6ヶ月を新設。
そもそも金融緩和策という事自体が、皆さんにわかりづらいと思うので、ここで繰り返しにはなりますが、説明しておきます。
「金融緩和」というのは、世の中へお金を供給する(世の中のお金を増やす)ということを意味しています。世の中にお金が増えるということは、それだけ企業に融資をするなり、企業や個人は消費や投資をできるようになります。つまりみんなにお金が増えるので、その分景気が良くなるということです。
これに対し「金融引き締め」というのが逆の意味で、金利を上げたり、世の中からお金を引き揚げることで、世の中に出回るお金の量(供給量)を減らします。それにうよって、効果は上記効果と逆のことが起こります。
さて、今回は20兆円の資金供給料を30兆円まで拡大をすることで、世の中にたくさんお金が出回るようになります。さらに資金を0.1%の固定金利(6ヶ月間)という超低金利で貸し出せるようにしたことで、お金を使いたいという人がたくさんお金を使えるようになります。
結果、景気が良くなり、投資家もリスク許容度が上がり、日本株も上がり、債券(安全資産)が売られ、長期金利が上昇しだしました(0.9%割れ→1.1%超え)。
そして今一番皆さんが気になっているドル円ですが、日本が相対的に金融の緩和策をしたことで、日本円の供給量が増え、今まであった日本円の価値は下がります(稀少性がなくなる)。よって円安ドル高になる。
しかし今回の量的緩和策は、もう打つ手のない日本にとっては、地の底をえぐるような政策です。それは世界中の投資家が知っているため、これ以上の円高対策は、もう為替介入しかないのです。その為替介入が最後に行われたのは約8年前。それ以来の為替介入(円売り)をするというのが、次の一段の円安円高になるためのファクターになります。
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コイズム ~小泉純一郎
2010-08-30
この本『コイズム』は2001年出版とかなり古いですが、政治を知るのにとてもいい本です。著者はなんとあの小泉純一郎さん。
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政治の本というと、当然硬いイメージを持つと思いますが、これは全然そんなことはありません。内閣、外交、政策、官僚、選挙、マスコミ、政党、社会問題などを、小泉さん流にとても分かりやすく書いてあります。
すべて実名で出てくるところが、大丈夫!?と思うところもありますが、小泉さんならではの裏も表もないというところでしょう。
読んで改めて思ったのが、小泉さんは他の政治家とはまったく違うということ。通常の政治家は皆、言っていることが似たりよったりで、自己主張、他人批判、政策不在、有言未実行というイメージを政党関係なくありますが、小泉さんだけは、最初から最後まで言っていることに筋が通っています。しかも真ん中に太い芯が見えてきます。その芯とは「政治家は特別な存在でもなく、国民の声を代弁する存在。国民がちゃんと自分の意志を反映できるような政治、制度が必要。」また「目の前の考えなければならない問題から逃げてはいけない。今やらなければ、将来若い世代が必ず大きなツケを払うことになる。」ということです。
もう一つすごいな、と思うのは、流れをよく読める人だったように思えます。改革というのは必ず必要で自分でやろうと思っていた。しかし改革をするにも、気運と世の中の人のマインドが重要だということも知っていたのです。見事にその「流れ」に乗って、大幅に改革を進めることができたのですが、小泉さんが首相を退任してからは、また旧石器時代に戻ったよう。長い混迷が続きます。いつか私たちがツケを払うこともわかっていますが、その本質をなんとかしてくれそうな政治家が見当たらないと思うのは私だけでしょうか?
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「円キャリートレード」とは?
2010-08-29
円キャリートレードという言葉が一時流行りました。これはまだ諸外国の金利が高かった時(といっても数年前)、安い金利の円で資金を借りて、高い金利のドルで運用するという手法のことを言います。これはこれであるとして、「これによって円安ドル高になっている」そして「多くのヘッジファンドがこの手法を取っている」と多くのTVのコメンテーター、証券マンが言っていました。実際、私も当時は野村證券で働いていて、そういう説明をお客さんにしていました(笑)。
しかしこれもまたマスコミと証券マンに作られたシナリオだったようです。どうもヘッジファンドという言葉が「=金融のプロ」というニュアンスで視聴者受け&顧客受けするらしく、そう作られたいたようです。
これは今回、藤巻健史さんのプロパガンダを見てわかりました。藤巻健史さんは元JPモルガン東京の支店長をされていて、当然米国でもトップクラスの外資の日本の支店長なので、もしヘッジファンドが「安い金利の円で資金調達する」のであれば、藤巻さんのところに来るはずです。しかし藤巻さんが支店長をしていた時には、一度としてヘッジファンドはお金を借りに来ていないそうである。
それもそのはず、銀行はディーリング、投資などのような元本が安全でない用途には、お金は一切貸さないからである。よくよく考えてみれば当然である。ただその証言者がいなかっただけなのである。
下手にマスコミやしったか証券マンを信じてはいけないといういい教訓ですね(笑)。
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今必要なのは財政政策でも金融政策でもなく為替政策
2010-08-29
今日更新された日本一のディーラー藤巻健史さん(元JPモルガン東京支店長)のプロパガンダ一節です。
私がいつも言っていることと同じだったので(嬉)、ぜひご紹介したいと思います。
通常、景気対策として、政府と日銀ができることは3つあります。
1)財政政策
国民や企業から税金を集め、それを公共投資として使うこと。
2)金融政策
政策金利(今はゼロ金利)を上下する。
金融の量的緩和&引き締めを行なうことで、市中の貨幣供給量を調節する。
3)為替政策
円と外貨のレートを調節する。
ただ日本においては、3)為替政策はずっとないがしろにされてきて、結果1)と2)だけ繰り返してきて、結局まったく効果がなかった。そして今回、ドル円が84円/ドルを切っても1)と2)に関してはもう出来る術が残っていないのである。
結局、元ディーラーの藤巻健史さん曰く、為替政策をするしかないとのこと(これももうずっと、少なくとも10年以上はおっしゃっているが)。要は政府が為替介入をして、円安方向へ持っていくことである。日本一のディーラー曰く、為替を操作するのはとても簡単なことだそうです。
円安にすることで、低迷経済問題、財政赤字問題、年金問題、雇用問題、日本が抱えているほとんどすべての問題が一挙に解決されるそうです。
できることが一つしかないなら、早くそれをやって欲しいものです。それをやらなければ、景気対策としていったい何をやっているのか!と思ってもいいと思います。
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