韓国産業銀行 円決済型ブラジルレアル建債券 〜みずほ銀行
2012-06-25
本日はみずほ銀行で今募集されている『韓国産業銀行 円決済型ブラジルレアル建債券』をご紹介します。要はブラジルレアル債です。
諸条件が以下のとおり。
金利:5.81%(ブラジルレアルベース)
格付け:A+(R&I)
通貨:ブラジルレアル
決済:日本円
償還日:2015年7月2日(3年債)
私はこの債券は絶対に勧めません。理由は2つ。
1)金利が低いです。円決済型と言っていますが実質為替リスクは投資家が負っています。今、ブラジルの政策金利(短期金利)は8.5%もあるのに、これを3年固定にしたら増えるどころか5.81%になります。流動性のリスクが高まるにも関わらず、金利が下がるのです。だったら今、ブラジル銀行の預金や定期、ブラジルレアルMMFにしたほうがいいです。
2)円貨決済型というのは、購入時、売却時、金利受け取り時に自動的に(勝手に)ブラジル・レアルを円に換えて受け取るようになっています。その時の為替水準がどうというのも関係なく自動的に、です。さらに為替転換時に自動的に所定の為替手数料が抜かれて(スプレッド)、残りが手元に届きます。じゃあ、その為替手数料がいくらか?と思いサイトを見たところ、ブラジルレアルが見当たりません(笑)。いったいいくらかかるのでしょうか?
※みずほ銀行為替スプレッドはこちら
ブラジルレアルの為替リスクが高いこともブラジルレアル債投資の時は気をつけないといけません。

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日本のポジティブ材料
2012-06-25
今日のアライアンス企業とのミーティングで日本の国家破綻などの話をしている時に、あまりに国家破綻ということをネットやマスコミで言っているため、その「国家破綻」という言葉そのものがオオカミ少年的な存在になっているのではないか?という話になった。現実に考えたら普通にあるであろう話で、しかも「国家破綻」そのものがネガティブでもないと思うので(企業再生と同じように国家再生という意味で)、私も普通に話していたのですが、わざわざネガティブにとらえられることもあると思い、たまには日本にとってのポジティブ材料を考えてみようと思いました(笑)。そこで思いついたのがこちらの2つ。
1)日本の技術や人材資源を買いたいという外国企業が多いこと
2)円高&豊富なキャッシュを使って、外国企業を買うことができること
1)は最近M&A関連の人と会うことが多くてそういった話を聞くことが多いのですが、やはり海外の成長力ある企業(特に新興国)は、日本のような技術を持っていて良い人材資源を持っている企業を買いたい(M&Aしたい)という案件がたくさんあると聞きました。日本は物を作るのが得意だけれど、世界で物を売るのは苦手といいますが、それをグローバルM&Aで解決でき、日本の企業経営者&株主も高く自分の会社を売ることができるのだと思います。
2)の円高ですが、すでに海外へ投資をしている投資家、もしくは輸出をメインとしている企業からすると円高は大変なネガティブ要因ではありますが、今まで投資をしてこなかった個人、企業からすると、キャッシュが豊富ですし、そのキャッシュ(日本円)を使って海外企業を買収したり、海外投資をするには最高にディスカウント(割引き)で買えるチャンスだと思います。物は考えようということですね。
景気が悪いから、デフレだから、規制強化だから、円高だから・・・と言っていても時間がもったいないです。こうして良いところを活かせると企業も人生も成功するんでしょうね。
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欧米金融機関一斉格下げ 〜ムーディーズ
2012-06-23
欧米の金融機関が一斉に格下げになりました。格下げ後の格付けと格下げ幅は以下のとおり。Aa3:HSBC(1段階)
A2:JPモルガン・チェース(2段階)
A2:BNPパリバ(2段階)
A2:クレディ・スイス(3段階)
A2:ドイツ銀行(2段階)
A2:UBS(2段階)
A3:バークレイズ(2段階)
A3:ゴールドマン・サックス(2段階)
Baa1:モルガン・スタンレー(2段階)
Baa2:バンク・オブ・アメリカ(1段階)
Baa2:シティグループ(2段階)
世界中で新バーゼル規制への対応と、貸し渋り、不良債権処理、リストラでだいぶ軽くなったように思えていましたがやはりまだ格下げ。最悪、投資不適格(投機的格付け)まであと2つと下が見えてきたシティ、バンク・オブ・アメリカ(メリルリンチ)です。
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ノムラ・ マネージャー・セレクト 1207 〜野村證券
2012-06-22
本日は野村證券の新商品『ノムラ・ マネージャー・セレクト 1207』をご紹介します。
※過去ブログで一度も紹介していないファンドはこちらのブログで。過去1度でも書いたことがあるファンドに関しての最新情報は私の『最新個別ファンド情報有料メルマガ』にてご紹介していきます。
『最新個別ファンド情報有料メルマガ』の詳細はこちら
実は去年も同じような名前であったのですが『ノムラ・マネージャー・セレクト 1110』とはまた内容が変わっています。同じなのはヘッジファンドのセット販売、ということだけです。
今回入っているヘッジファンドは・・・
・アムンディ・ボラティリティ(ボラティリティ戦略)
・ブルー・トレンドPRM(マネージド・フューチャーズ戦略)
・GAMエマージング(マクロ戦略)
※マネージド・フューチャーズ戦略についてはこちら
※マクロ戦略についてはこちら
です。
それぞれの過去のチャートと毎年の成績がこちら。ここに載っている期間はほぼほぼ全勝(毎年儲かっている)ことがわかります。






そしてこの3つのファンドを2007年から運用したと仮定してシミュレーションした場合のチャートと数字がこちら。それぞれがいいのですから、3つ足しても当然いいですね(笑)。参考ポートフォリオはすべて1:1:1で保有していることになっています。



どれもいいのなら1つ保有すればいいのでは?と思われると思いますが、こちらの相関関係図をご覧ください。相関係数では数字が0に近づけば近づくほど「まったく無関係な動きをする」という意味になりますので、この3つを保有する意味があるのです(さらなるリスク分散)。

どれほどリスクが低いかがこのグラフでもわかります。過去最も株式が下落した時のこのファンドの成績です(あくまでシミュレーション)。マイナスどころかプラスの時が多いです。

リスク=リターンで見ても、
年間平均リターン:11.1%
年間平均リスク:6.5%
なので、優秀な成績です。

最後にこのファンドと今皆さんが保有されているその他資産との相関関係を見てみましょう。一番上の横列がすべてこのファンドとその他資産の関係を表していますが、0に近いのがわかりますか?要は関係ない動きをしているということで、リスク分散としての商品としても最適だということですね。

国内でも稀にこういった投資機会が出てくるので、こういう機会にはオフショア(海外)で投資されることを好まれない方も投資しておくといいですね。
※オフショア投資についてはこちら
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世界各国の経済指標
2012-06-22
最近変化が早すぎて、金利、失業率、GDP、などわからなくなってきていると思うので、ここに比較としてまとめておこうと思います。よく投資の相談となると商品の話ばかりされる方がいますが、こういったマクロ経済を知らないことには、投資先など決められませんので、目を背けず一つ一つ理解していってください。GDP(2011年) 鉱工業生産 失業率 消費者物価 経常収支 政策金利 外貨準備高
(%) (%) (%) (%) (億ドル) (%) (億ドル)
日本: -0.7 13.4 4.6 0.4 966 0.10 12040
米国: 1.7 5.2 8.2 2.3 -4734 0.25 458
ユーロ圏: 1.4 -2.2 11.0 2.6 118 1.00 2124
ドイツ: 3.1 -0.7 6.7 2.1 2028 1.00 390
フランス: 3.1 -0.9 9.6 2.4 -616 1.00 264
イタリア: 0.4 -5.8 9.8 3.5 -594 1.00 352
イギリス: 0.7 -2.6 8.2 3.0 -464 0.50 604
カナダ: 2.5 0.4 7.3 2.0 -484 1.00 562
オーストラリア:2.0 0 5.1 1.6 -334 3.50 285
中国: 9.2 9.3 4.1 3.4 2895 6.31 33049.7
インド: 7.2 -3.5 - 7.2 -590 8.00 2544.1
インドネシア: 6.5 0.8 6.6 4.5 -38 5.75 1164.1
韓国: 3.6 0.7 3.4 2.5 282 3.25 3108.7
ロシア: 4.3 1.3 5.8 3.6 1103 8.00 4656.6
トルコ: 8.5 2.4 10.4 8.3 -874 5.75 786.0
南アフリカ: 3.1 1.2 25.2 6.1 -543 5.50 412.1
ブラジル: 2.7 -2.9 6.0 5.0 -516 8.50 3723.7
アルゼンチン: 8.9 -0.5 7.1 9.8 0 - 413.5
メキシコ: 4.0 3.1 4.9 3.9 -90 4.50 1550.6
順番にご説明していくとGDPは成長率を表すので多いほうがいいです。この数字はあくまで前年比なので、前年が悪ければよく見える、という形です。今年の予測値は敢えてここには載せていませんが、日本は+2.0%など、昨年震災があって大きく後退した後なのでよく見えたりもします。
次に鉱工業生産。これもその国がどれだけ生産しているかという話なので多いほうがいいです。ただしサービス業などで成り立っている国はあまり関係ないかもしれませんね。
次に失業率。これは当然低いほうがいいです。失業率が高ければそれだけ職場がないということであり、個人所得も低くなり、消費もされない分景気も良くなりません。
これに関連して消費者物価。これは要はインフレ率なので、マイナスだとデフレということになります。ただこの数字は決して高ければいい、低ければ悪いというわけではありません。新興国のように高すぎても以前の日本のようにバブルにならないようにこの物価上昇率を低くするような政策をします。短期で一気に成長するよりも緩やかな長期成長が望ましいということですね。しかし先進国のように、成長したくても経済が成熟してしまっていて物が売れない=消費者物価が上昇しないというのもあまり良くはないものです。
次に経常収支。これは輸出と輸入の差のことで、これが+であれば輸出のほうが多い(自国が儲かっている)。逆に−であれば、輸入のほうが多い(自国が買い手になってしまっている)ということになります。中国や日本のように+だというのは珍しい状態というのがわかります。これがよく貿易摩擦やFTA(自由貿易協定)で問題になるところですね。中国のように儲けすぎていてもマイナスの国から叩かれます(笑)。
次に政策金利。これは短期金利のことを指すので、ここから銀行の預金金利や国債の金利などが決まります。投資家からするとこの金利は高ければ高い方がいいように思えるかもしれませんが、実際は高すぎると自国通貨が高くなりすぎる(=経常赤字になる)ことなどもあるため、マクロ経済全体から見ると必ずしもいいこととは言えません。先進国を見てもらえうと、これが逆にほとんど0~1%程度になってしまっているのがわかります。ここからわかるように、先進国に住んでいる国民は、預貯金をしているだけではお金は増えないことがわかります。以前は日本が低いだけでアメリカ、ユーロ圏などどこも金利がありました。それがここ最近の世界的景気後退で景気刺激策として利下げを行なってきた結果、こうなってしまったということですね(その結果はまだ景気回復していません)。
最後に外貨準備高。これは通貨政策を取る時に、自国通貨を買い支えたり、売って価値を下げたりということができる手段となります。また他国の国債を保有していることになりますので、債権者(株主のようなもの)になっているということで、国際的な存在力が上がります。
難しいように思えるかもしれませんが、これが国際指標です。これ以上のデータは逆にそれほど重要でもなくなってくるので、最低限この辺りの指標は抑えておいた上で、ニュースなどを見てアップデートしていきましょう。何に投資をするのか決めるのはその後ですね(もちろんそういったわからないところを補うのが我々投資アドバイザーでもありますが)。
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