地震保険の支払いが1兆円規模に ~東日本大震災
2011-03-21
今回のような大規模な災害が起こると、心配になるのは入っていた保険がちゃんと支払われるかどうか。しかし今回もどうやらその心配はないよう。政府とGSが出した試算で今回の東日本大震災で発生する地震保険支払いの総額は約1兆円。地震保険の仕組みとしては支払い総額が1150億円を超えると官民が折半するらしく、例え今回1兆円の保険金支払が発生したとしても、民間の保険会社で5000億円、国が5000億円出すことになる。
そしてその財源があるかどうか?という話だが、これも問題ない。国は地震再保険特会というところで1兆3000億円を積み立てていて、民間の保険会社もほぼ何にも投資していない状態(外債や外貨にもしていない)で約1兆円を保有しているそう。つまり今回地震により円高となったのは、政府や保険会社が保険金支払のために海外資産を円に戻すことを見込んで投機資金が円を買っていたのだが、それもムダな話だったよう。結果、これで合わせて2兆3000億円はすぐに支払えるキャッシュとして保有しているため、今回の1兆円の支払いであれば問題ないことになる。
日本では過去最大だった阪神大震災の支払い総額は約800億円。支払件数は約65000件だったのだが、今回の支払い総額は1兆円で支払件数は約倍。一件あたりの支払いも阪神大震災の100万円の倍くらいにはなるよう。
ただ一番の問題は地震保険に入っていないというケース。もちろんいざという時の保険なので、入るか入らないかは個人の任意。こういういざという時のために保険というのはあるものだが、今回の被災者の数を考えても、保険に入っていない人もたくさんいることと思う。
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