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ノルウェー輸出金融公社 早期償還条項付 他社株転換条項付 円建債券(JT、三井住友FG)

2010-02-21
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債券にもいろんな種類の債券があります。通常は日本国債や豪ドル債のような、為替はともあれ、利付債券というのが主流で、債券を持てば満期には元本が必ず返ってきて、その間固定の金利が付いてくる、というものです。

今回のはこの利付債に、「早期償還条項」と「他社株転換条項」というのがついています。それぞれご説明します。

ノルウェー輸出金融公社(早期償還条件付債)_1

まず「早期償還条項」。少し理解しづらいですが、JTと三井住友FGの株価が一度でもノックイン価格(65%)を下回り、その後、同銘柄が当初価格(100%)を超える時が毎四半期の早期償還判定日にあった場合、次の利払い日に100%の元本で返ってきます(元本上乗せ部分はなし)。とりあえずこういうものと理解してください。

ノルウェー輸出金融公社(早期償還条項付債)_2

早期償還でなく、満期時に元本が100%返ってくるケースとしては、以下の図1にあるように、ノックイン価格になった後、満期時に元本を超えている場合。そして、図2のように、一度もノックイン価格を下回らなかった場合(この場合、満期時に株価が100%を超えているかどうかは基準ではない)。

ノルウェー輸出金融公社(早期償還条項付債)_3

次に「他社株転換条項」。この債券は「JT」と「三井住友FG」の株価に転換されるかもしれない、ということです。そのため早期償還や転換の条件で、JTと三井住友の株価が基準となります。

そして期間中、一度でもノックイン価格になり、その後早期償還判定日、満期日共に100%以上に戻らなかった場合は、そのノックインした方の株式が手元に届いてしまいます。

ノルウェー輸出金融公社(早期償還条項付債)_4

こういった複雑で、個人投資家が理解しづらい商品は、まずこう考えます。この債券は10%の金利はつくけれど、リスクは株に依存している。つまり、このJTと三井住友FGの株式のリスクを考える必要がある。JTと三井住友FGの株価を見た場合、過去、35%下落(65%の株価)というのは十分にあり得た。今後も「そうなるかも」と考えた方が妥当だろう。

次に、65%以下になった後、元の100%に戻れるかどうか?

ここで問題になるのが、よくあるこの誤解。「100%のものが一度65%になり、その後100%になるのに、35%上がるだけでいいと思いますか?」

もちろん答えは「NO」である。答えは「53.8%上がらなければならない」です(式:100÷65)。53.8%という成績をあなたは株式で上げられますか?しかも一度の売買もなく、ただ「JT株」と「三井住友FG株」を保有しているだけで。私はほぼ不可能、というより、神のみぞ知るというところでしょう。

10%の固定金利はたしかに魅力です。しかし、株のリスクをあなたが背負うのですから、逆に言うとそのくらいの金利、もらって当然だと思います。

結論、私なら投資しません。上にも書いたように、JTと三井住友の株式に自分の運命を委ねなければいけないからです。株式投資のように、途中で「損切り」もしくは「利益確定」をして逃げられるわけでもありません。満期は1年後ですが、1年の間の日本株式のボラティリティ(変動率)はすごいものです。もしJTと三井住友FGが上がると思うのであれば、直接この銘柄を買って、年間10%以上の利益をあげます(空売りもできますからね。。)。

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コメント:
早期償還条項付変動利付他社株転換社債のリスクを教えてください
[2013/03/19 14:27] | 平野興二 #e6mArcUg | [edit]
平野さん

はじめまして、河合です。
コメントありがとうございます。

元本割れをリスクと呼ぶのであれば、上のパンフの「満期償還」の「2.2」となります。
要は一度でもノックインし、その後満期時にも100%に戻らなかった時は元本割れとなります。

[2013/03/19 14:44] | 河合圭 #- | [edit]












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