資本主義の第一ルール「自己責任」
2013-11-02
ハゲタカの最新作『グリード』の上を読み終えました。
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ハゲタカファンド(買収ファンド)のトップである鷲津政彦は冒頭の記者からのインタビューでこう答えています。
「日本にもようやく資本主義が到来した。資本主義のルールNo.1は自己責任。リスクを取って投資して、成功しても失敗してもそれは投資する者の責任。損をした人を守る義務なんてはなから国家にはない。しかし日本は戦後ずっと国家が産業を牽引育成し、企業がそれに従った。これを計画経済という。あるいは共産主義と呼んでいい。労働者を手厚く支援し、社会保障制度も整備し続けた。本来ならば資本主義が進めば進むほど、格差は広がり貧乏人が増え、彼らは社会からスポイルされるのが常識なのに、この国は政府ばかりか企業、つまり資本家までもが家族主義を貫いた。こんな資本主義はないでしょう。」
これは2005年に小泉総理が郵政選挙で圧勝した時を背景に書いています。その後、金融危機が起こり・・・というのがこの本の主舞台ですが、実際金融危機後の日本に資本主義は残ったのでしょうか?むしろ計画経済が更に進んだように思えます。
そして資本主義の第一歩である「自己責任」を理解している人たちがどれほど増えたのか?SNSの拡大によって正直増えたと思います。増え始めたというところでしょうか。自己責任を理解したところで、初めてリターンが得られるのです。もう社会や会社、証券マンに委ねてリターンが得られる時代は終わりました。
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