ノムラ THE ASIA 〜野村證券
2015-06-11
久しぶりにファンドの解説です。今日は野村證券の新商品『ノムラ THE ASIA』。ファンドの特徴は主に・・・・アジアの株へ投資
・「米ドル売り円買い」コースも選べる
です。
要は今までよく見てきたようなアジア株ファンドですが、復習を兼ねて見て行きましょう。
まずグロース投資である新興国株は経済が成長していなければ株も上昇しません。経済成長はGDPというので見ますが、このGDPの%が高いと経済成長しているということになります。
こちらの左グラフが世界に占めるアジア圏のGDPの比率を表しています。どんどん拡大しているのがわかりますね。次に右グラフですが、その他の先進国地域とGDPを比較しています。成長率が高いことがわかります。

次に生産年齢人口。日本は特にこれがどんどん少なくなっていくので、経済成長などできず、更に税金を使う人達ばかり増え、税金を納める人たちが減るため、財政危機になることがわかっていますが、アジア圏はその逆の状態にあるということですね。

次に先程のGDPを人口で割り、一人当たりGDPというのを出しています。これは一人一人の国民がどれだけ豊かか?を表していて、それが消費につながり、企業業績(株価)につながります。このグラフは過去の日本と比べてそれぞれの国が今どの水準にいるのか?を表していますが、シンガポール、香港は既に一人当たりGDPは日本と同等かそれ以上になっているようです(日本国民よりも豊か)。しかし今回の投資先となるアジアの国々はまだまだだというのがわかります。

このように一人一人の国民が豊かになると物を消費するようになります。次の左グラフが自動車、ケータイの販売台数が年々増えていることを表し、右グラフがアジアの中間所得層の増加を表しています。そもそも現在でも先進国の中間層の数よりも多いんですね。それだけ企業は商売になるということです。

そしてアジアの消費者や企業が力をつけてきたにつれてアジアの企業の顧客も同じアジアの企業という風にアジア経済圏自体が大きくなってきました。


こちらがアジア諸国の格付けです。経済成長とともに格上げが行われ、国としての信用度は徐々に上がってきました。対して先進国は財政赤字により格下げ。それでもまだ新興国より信用リスクは低いという状態です。

さて大事なアジアの株価の推移です。2007年サブプライムローン危機から下落し金融危機後2009年から回復して、ついに元に戻ろうというところです。下落幅が大きかったので、米国よりも時間がかかっています。つまりハイリスク=ハイリターンということですね。

次の株価が割安か割高かを見るPER、PBRですが、これは地域の中で比較することに意味はありますが、先進国のそれと比較してもあまり意味はありません。新興国のPERが先進国のPERのようになるにはそれこそ長い年月をかけて社会が同レベルになると共にです。しかし新興国株投資はリスクが高いためそんな長くするものではありませんので、気にしなくていいです。

今回のファンドはファンド・オブ・ファンズ形式になっていて、その分野に得意なファンドマネージャーを選定し、色んな投資先の探し方をします。いずれもどれだけがいいということはないので、これは大事なことですね。
※ファンド・オブ・ファンズについてはこちら

そして最後にその各ファンド会社がアジア株投資をした過去のトラックレコードです。全部上がってるのはそういう時期をわざととっているだけなので、参考にしないでください。動きがバラバラだということから、分散をしないといけないということになります。

この高値でアジア株を買いにいくのか?
がポイントになります。今年は米国利上げが控えているので、新興国株への影響は避けられません。米国利上げは景気を抑えることになるので、上記グラフにあったように、相手国である米国企業、また米国経済に関係している企業(ほとんどの企業が関係しているのではないでしょうか)の企業業績を抑えることになります。
今年は米国利上げに影響が低い投資先に対象を絞っていくよう資産をシフトしていきましょう。
tag :