就職活動で頭を悩ませてる学生たちへ
2015-09-08
そもそも学生がこのブログを読んでるのか?という疑問は大いにあるが、私のブログなので勝手に書かせてもらう。学生の一番の悩みは就職活動。というよりも社会に出なきゃいけないのに、社会のことを何も知らないというのが一番の頭の悩ませどころだろう。けれど実はそこに問題があることに気づいていない。その「社会」というのがただの日本社会だという事自体が問題なのである。
たしかに何事も知って納得して自信を持って行動できる。私は日本の大学を出て、日本の大企業を経験し、日本で起業を経て、今海外でビジネスをしているからひと通りのことが言えるのだが、まだ学生のみんなは一歩の社会を知らないのだから怖いのも無理はない。けれど一歩日本の社会へ出たところで、学生の頃はあった将来の可能性がどんどん閉ざされていくのだから、そもそも日本の社会を知ったところで、成功への確率はどんどん下がっていくだけだということを気づくだけである。
自分の貴重な20代という時間をかけてこれを経験するのも一つの選択だが、先に経験した私(35歳)から20代をまとめて書くと、日本社会での遠回りである。日本の社会を引いてみると人口ピラミッドが見える。

見て分かる通り、逆ピラミッド型になっている。特に我々35歳から一気に子供の数が減り、最近生まれてきた子たちは団塊の世代と呼ばれている65歳前後の人口の半分しかない。高齢者が受けとる年金や、介護などで使われる税金はその下の層たちが払う税金で賄われてるんだから(本当は税金の倍の額を彼らがもらい、その残り分は借金として下の層たちに払わせるんだけど)、そりゃあムリだろうということが一目でわかる。
そしてこの社会システム以前に大事なのが自分の就職人生。そもそも払う税金を稼ぐための職である。その職はどんなところがあるだろう?就職活動でリクナビに登録をし(今もそうしてるのかな?)、雑誌の人気度ランキングを見ながら会社選びをする。いろんな会社を調べたって面接に行ったって「みんな同じに見える?」と感じないだろうか。その感覚が正しい。大差ないのである。
日本の経済システムというのは「計画経済」と呼ばれていて、すべて官僚(霞ヶ関にいる官公庁)と政治家(国会にいる議員)が決めた仕組みで成り立っている。官僚は認可(ライセンス)という名ですべての国内産業に縦割り規制をする。規制の根底となっているのは、官僚がいかに自分たちの次の就職先(天下り先)を作れるか?ということ。政治家は有権者(地元の人達)にいかに税金が落ちるかを取り計らうだけである。そんな中、日本のどの大企業にいるか?なんて大きく見ると重要ではないのである。その社会の仕組みの中でどのような役割(ネジ)になるか?だけなんだから、将来の無限の可能性を持っている学生にしたら夢も何もない。
日本の企業に入ったら、日本人しかおらず、日本語で教育され指示され評価される。完全に日本人社会である。そしてもう一度人口ピラミッドに戻る。既に出生しているわけだから、急にこの5歳のところの人口が増えるわけがない。ずっとこのピラミッドが何十年も続くのである。そしてこのインドのカースト制度(階級制度)を見てほしい。

カースト制度の階級も生まれた時点で決まるから、下から上にいけることはない。だから奴隷はずっと奴隷。日本の若者たちは、年功序列の日本企業や日本社会ではずっと人口が多い年輩者たちに使われるだけで終わるのだ。
もちろん私のように起業をし(起業のチャンスはどこでも誰にでもある)、これを逆転することも一つ。起業のアイデアを持っているのも行動力があるのもいつの世も若者だから、人口が少ないということはそれだけ競争も少ないから、逆にそれも一つチャンスなのかもしれない。しかし日本の大企業へ就職して学ぶことはさっきのヒエラルキーである。
最後にやはりオススメしたいのは、早く日本社会から脱出すること。学生は社会を知らないから怖い、と思うだろうが、実際は日本社会に埋もれれば埋もれるほどもっと世界が怖くなる。何も知らないほうが怖くないのである。そして私の経験から見えている答えでは、日本の若者の将来は日本国内ではなくて海外にある。エンジニアならシリコンバレー、金融マンならNYかロンドン、貿易ビジネスするならアジアでも世界中どこでもできる。海外の飲食店経営も世界中どこでもできる。今まで日本で生きてきた日本人としての20年は、海外に出るから差別化された武器と変わるのである。見渡す限り日本人ばかりの社会でどう差別化しろというのか。ヒエラルキーの一番下になるために面接を受けにいくようなものである。
「社会のために」とかつまらない大義など探さなくていい。社会はそんなに綺麗じゃないし、報いてもくれない。そんなことより自分の人生を大事にしてほしい。
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