コイズム ~小泉純一郎
2010-08-30
この本『コイズム』は2001年出版とかなり古いですが、政治を知るのにとてもいい本です。著者はなんとあの小泉純一郎さん。
![]() | コイズム (2001/07) 小泉 純一郎業田 良家 商品詳細を見る |
政治の本というと、当然硬いイメージを持つと思いますが、これは全然そんなことはありません。内閣、外交、政策、官僚、選挙、マスコミ、政党、社会問題などを、小泉さん流にとても分かりやすく書いてあります。
すべて実名で出てくるところが、大丈夫!?と思うところもありますが、小泉さんならではの裏も表もないというところでしょう。
読んで改めて思ったのが、小泉さんは他の政治家とはまったく違うということ。通常の政治家は皆、言っていることが似たりよったりで、自己主張、他人批判、政策不在、有言未実行というイメージを政党関係なくありますが、小泉さんだけは、最初から最後まで言っていることに筋が通っています。しかも真ん中に太い芯が見えてきます。その芯とは「政治家は特別な存在でもなく、国民の声を代弁する存在。国民がちゃんと自分の意志を反映できるような政治、制度が必要。」また「目の前の考えなければならない問題から逃げてはいけない。今やらなければ、将来若い世代が必ず大きなツケを払うことになる。」ということです。
もう一つすごいな、と思うのは、流れをよく読める人だったように思えます。改革というのは必ず必要で自分でやろうと思っていた。しかし改革をするにも、気運と世の中の人のマインドが重要だということも知っていたのです。見事にその「流れ」に乗って、大幅に改革を進めることができたのですが、小泉さんが首相を退任してからは、また旧石器時代に戻ったよう。長い混迷が続きます。いつか私たちがツケを払うこともわかっていますが、その本質をなんとかしてくれそうな政治家が見当たらないと思うのは私だけでしょうか?
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